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仕組みづくり

サービス申込後の案内は何を送る?個人事業主の開始前メッセージ点検シート

公開

約8分で読めます

しろくま先生

申込から開始までの案内を、送る時点ごとに「受け手の次の行動・確定している事実・人が確認してから送る部分」に分けて点検する一枚のシートと、架空の講座での記入例。

相談や講座、伴走サービスに申込が入った。うれしい半面、そこから始まるのが案内の作業です。日程の連絡、準備してほしいこと、当日の入り方。毎回少しずつ書き直して送るのに、開始の前日になって「次は何をすればいいですか」と聞かれる――。

先に答えを置きます。申込後の案内は、全部を一通に詰める前に、送る時点ごとに分けて考えます。 目安になるのは「申込が届いたこと」「開始までに相手がすること」「開始時の入口と、困った時の連絡先」の三つです。ただ、これは何通に分けるかの正解ではありません。サービスによっては一通で足りますし、その場合は分けなくてかまいません。大事なのは、その時点で受け手が次に何をするのかが一つに見えるかです。

この記事では、時点ごとに案内を点検する一枚のシートと、架空の講座を使った記入例、送る前の見直し項目を置きます。文例をそのまま配るものではなく、問い合わせが減ることや案内を自動化できることを約束するものでもありません。

申込フォームの質問項目そのものは「申込フォームの項目は何を聞く?個人サービスの入力負担を見直すチェックシート」で扱っています。本記事は、申込が完了したあとから初回の提供が始まるまでの連絡に絞ります。

申込のあとに、相手が負っているもの

申込が済んだ時点で、相手の側の仕事は終わっていません。何を用意するのか、いつまでに何をするのか、当日はどこから入るのか。分からないことが残っている限り、相手は時間と手間をかけて調べ直したり、こちらに聞き直したりします。「聞いていいのかな」と迷う気持ちの負担もあります。

私の講座では、お客さんが支払うものはお金だけではなく、時間・労力・気持ちの負担も含めて考えます。そして段階ごとに、その段階の目的と、相手にかかっている負担を先に決めておくことを大事にしています。申込後の案内も同じ段階の一つです。この時期の目的は「相手が迷わずに開始の日を迎えること」で、案内の一文一文がその負担を軽くしているかどうかで見直せます。

案内を一通にまとめると、送る側は楽になります。けれども受け手から見ると、今すぐやることと、当日まで覚えておくことと、もしもの時の連絡先が同じ画面に並びます。今必要なことが埋もれやすいのは、文章が下手だからではなく、時点の違う情報が混ざっているからです。

時点別の案内点検シート

案内を書く前に、次の表を一枚用意します。行は送る時点、列は点検する観点です。空欄を埋めながら、それぞれの時点で何を書き、何を書かないかを決めます。

欄

書き込むこと

送る時点

申込直後 / 開始前 / 開始時 など、自分のサービスで実際に連絡する時点

受け手が今知りたいこと

その時点で相手が抱いていそうな問い。自分の想像ではなく、過去に実際に聞かれたことから書く

相手の次の行動

その案内を読んだ相手がすることを一つ。無いなら「特になし(待つだけでよい)」と書く

確定している事実 / 未確定のこと

日時・場所・用意するものなど、今の時点で決まっていることと、まだ決まっていないことを分けて書く

人が確認してから送る部分

日程の調整、個別の事情への返事など、定型文にせず自分で読んでから送るところ

困った時の相談先

相手が迷った時に連絡する先。今の運用で実際に受け付けている窓口だけを書く

使うときの注意を三つ挙げます。

一つ目は、「受け手が今知りたいこと」を自分の想像で埋めないことです。これまでの申込者から実際に届いた質問を思い出して書きます。思い出せなければ、その欄は空けておき、次の申込で届いた質問を書き足します。

二つ目は、「相手の次の行動」を一つに絞ることです。一通に「事前アンケートに答える」「教材を読む」「日程を返信する」が並ぶと、相手はどれから手をつけるかを自分で決めなければなりません。複数あるなら、時点を分けるか、順番を明記します。

三つ目は、未確定のことを確定したように書かないことです。日程がまだ決まっていないなら「日程は○日までにご連絡します」と書けるかどうかを、自分の運用で確かめてから書きます。案内に書いたことは、相手にとって約束として読まれます。今の時点で守れるかが分からないことは、案内に入れずに残しておきます。

記入例: 小さなオンライン講座の場合

説明のための架空の例を一つ置きます。実在の講座や申込者の記録ではありません。日程・URL・用意するものは、実際の運用に合わせて記入する空欄にしています。

個人で少人数のオンライン講座を開いている人が、自分の案内をシートに書き出したとします。

送る時点

受け手が今知りたいこと

相手の次の行動

確定している事実 / 未確定のこと

人が確認してから送る部分

困った時の相談先

申込直後

申込はちゃんと届いたか

特になし(次の案内を待つ)

確定: 申込を受け付けたこと / 未確定: (実際の運用に合わせて記入)

申込内容に質問や相談が書かれていた場合の返事

(実際の窓口を記入)

開始前

当日までに何を用意すればいいか

用意するものを一つ準備する

確定: 開始日時(実際の運用に合わせて記入)・用意するもの(記入) / 未確定: (記入)

日程が合わないという連絡への返事

(実際の窓口を記入)

開始時

どこから入ればいいか

入口から参加する

確定: 参加の入口(実際の運用に合わせて記入)

当日入れないという連絡への対応

(当日つながる窓口を記入)

この例で見てほしいのは、申込直後の行で「相手の次の行動」が「特になし」になっていることです。届いたことを伝えるだけの連絡に、準備のお願いや当日の入り方まで足したくなります。そのときは、足したい一文ごとに「この時点で相手にしてほしい行動があるか」を確かめます。無いなら、その説明は行動が必要になる時点の案内へ回せないかを考えます。

もう一つは、「人が確認してから送る部分」が、どの行にもあることです。定型の案内を整えても、日程の相談や個別の事情への返事は無くなりません。シートに書いておくと、定型で送る部分と、自分が読んでから返す部分の境目が、送る前に見えるようになります。

定型にしてよいことと、人が判断すること

案内の文章を一行ずつ見ると、三つの種類に分かれます。

  • 確定していて、誰に対しても同じこと — 申込を受け付けたこと、開始日時、用意するもの。定型の案内に入れられる

  • 相手によって答えが変わること — 日程の変更、個別の相談、手続きや支払いの例外。定型文で答えを確定させず、相手の連絡を読んでから自分で返す

  • まだ決まっていないこと — 決まるまで書かない。書くなら「いつ連絡するか」だけを、守れる範囲で書く

案内の一行ずつを「確定しているか」「相手によって変わるか」で振り分ける。シートの「確定している事実」と「人が確認してから送る部分」の欄はこの振り分けの結果になる。
案内の一行ずつを「確定しているか」「相手によって変わるか」で振り分ける。シートの「確定している事実」と「人が確認してから送る部分」の欄はこの振り分けの結果になる。

送信の許可や配信の停止、個人情報の扱いなど、法令や利用規約が関わる部分は、この記事では判断しません。使っている配信手段の規約や、必要に応じて専門家の確認を先にしてください。

共通化してよい部分と人に残す部分の考え方は「顧客ごとの個別対応を減らす方法|共通化してよい部分・残す部分」で詳しく扱っています。

送る前に、一通ずつ見直す

案内を書いたら、送る前に次の四つを確かめます。

  1. その時点では不要な説明が多すぎないか — 開始時に読めば足りる説明を、申込直後の案内に入れていないか

  2. 相手の次の行動が一つに見えるか — 読み終わった相手が「次に何をするか」を一文で言えるか

  3. まだ確定していない約束を書いていないか — 日時・提供内容・返信の目安で、今の自分が守れていないことを書いていないか

  4. 相談先が今の運用と一致しているか — 書いてある窓口に、実際に連絡が届き、自分が見ているか

何通に分けるか、いつ送るかの正解は、この記事では決めません。実際に申込者から届く質問を記録して、同じ質問が繰り返し届く時点があれば、その時点の案内を見直す。その繰り返しで、自分のサービスに合う形を確かめていきます。

案内を順番に届ける道具を使う場合

申込後の案内を時点ごとに分けると、同じ内容を毎回手で送り直す場面が見えてきます。saas biz の STEP は、LINE やメールで必要な案内を順番に届け、定型の連絡と人が担う個別対応を分けるための道具として説明しています。まず自分の事業の案内で使え、顧客に提供するかどうかは、その顧客自身の用途と必要を確かめてから決める別の話です。

道具を入れても、点検シートの「人が確認してから送る部分」は人に残ります。先にシートを埋めて、定型にできる部分がどれだけあるかを確かめてから検討するのが順番です。

集客から販売、提供、次の集客までのつながり全体は「集客を止めると売上も止まる|まず三か月分を二つに仕分ける」で扱っています。

自分の案内を続く流れにできるか、saas bizのサービス紹介で確かめる

この記事の下敷き

  • 顧客の負担と段階設計についての講座資料 — お客さんの負担をお金だけでなく時間・労力・気持ちの負担として捉えること、段階ごとに目的とその段階の負担を先に定めること

  • サービスページ — STEP の「LINE やメールで必要な案内を順番に届ける」「定型の連絡と、人が担う個別対応を分ける」の説明

時点別の案内点検シート、記入例、定型と人の判断の振り分け、送る前の見直し項目は、上の考え方を申込後の案内に当てはめて本記事で組み直したものです。資料にそのまま載っている手順や表ではなく、効果を確かめたものでもありません。記入例は説明のための架空の例です。記事の著者名と更新日は記事ページの冒頭に表示されます。

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