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労働集約から抜ける

良い仕事をするほど契約が終わる|成果提供型ビジネスの構造

公開

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しろくま先生

成果を売るなという言い方は誤解されます。顧問も運用代行も月額で成立している。本当の分岐点はどこか。

三か月伴走して、相手の状態がよくなって、しっかり感謝されて、そして更新の話が出ないまま契約が終わる。

しかもうまくいくほど早く終わります。だらだらやっていたほうが長く続く、という逆転が起きる。ここで「まだ終わってほしくないな」と一瞬でも思ってしまって、そう思った自分に少し嫌気がさす。

私にも覚えがあります。そして、これは真面目に仕事をしている人ほど経験します。

先に、いちばん言いたいことを書きます。

課題が片付いたのだから、その仕事は終わりです。当たり前です。

治療が終われば通院は終わります。引っ越しが済めば引っ越し業者との関係は終わります。片付いたのに関係が続くほうが、むしろ不自然です。

問題は終わったことではありません。終わったあとに、次がないことです。

だから解約が出た分を新規で埋めることになり、売上が毎月ゼロから始まります。売上が安定しない話の全体はコンサルの売上が安定しない理由|毎月ゼロから作らない商売へにまとめました。この記事では、その中心にある「終わる」構造だけを掘ります。

「成果を売るな」は、そのままだと間違う

この話をすると、成果を売るのをやめろ、という言い方によく出会います。成果は到達点だから、到達したら終わる。だから単発になる、と。

私はこの言い方を使いません。反例があるからです。

顧問契約は成果を目的にして月額で成立しています。継続コンサルも、運用代行も同じです。実際に何年も続いている人がたくさんいます。「成果を売ると単発になる」が正しいなら、この人たちは存在できません。

だから、成果を売ること自体は問題ではありません。成果を出すのは私たちの仕事の中心で、そこを捨てる必要はまったくない。

ただし、成果には一つだけ厄介な性質があります。成果はお客さんのものだ、ということです。

実際に手を動かして、続けて、結果を出したのは相手です。だから成果は相手のものです。それなのに、出なかったときだけこちらの責任になる。出たときは相手のもので、出なかったときはこちらのせい。もらっていないものの責任だけを持っている状態が、だんだん重くなります。

しかもこの重さは、こちらの努力では軽くなりません。相手が動かない月は、こちらに打つ手がないからです。サボったのではなく、構造上できることがない。ここは、責める側にも責められる側にも回らないほうがいい場所です。

本当の分岐は、実行しているのが誰か

では、続く商売と続かない商売は何が違うのか。

契約の形ではありません。単発か月額か、金額が高いか安いか、でもありません。見るところは一つです。

自分が動かない月に、価値が発生しているか。

顧問でも運用代行でも、こちらが手を動かさないと何も起きないなら、実行しているのは毎回自分です。すると毎月「今月もちゃんとやりました」を証明し直すことになります。相談が来ない月にそわそわして、こちらから「何かお困りごとないですか」と連絡してしまう。請求書を出すときに少し後ろめたい。これは性格の問題ではなく、実行主体が自分だから出てくる症状です。

そして売上を増やすほど、自分の仕事も増えます。案件が二倍になれば稼働も二倍になる。ここは逃げられません。この、増えるほど時間がなくなる側の話は売れるほど忙しい|次の集客ができなくなる構造と、その抜け方に書きました。

家政婦さんと食洗機の違いに似ています。家政婦さんは来てくれた日はお皿がきれいになりますが、来なかった日は溜まります。食洗機は置いてあるだけで、誰も来ないのに毎日まわる。しかも一度入れると手洗いには戻れないので、ずっと家にあります。同じ「お皿をきれいにする」でも、渡したあとに自分が実行しなくても働くかどうかが違います。

課題は消えない。形を変える

もう一つ、多くの人が持っている前提を見直したいところがあります。

課題を解決したら、その人は卒業だ、という前提です。実際はそうなりません。解決すると、次の課題が生まれます。 消えるのではなく、形が変わります。

集客ができるようになったら、次は問い合わせの対応が回らなくなる。対応を整えたら、次は同じ説明を何度もしていることに気づく。まとめて渡したくなって、教える形にしたくなる。講座を作ったら、今度は受講生同士が話せる場が欲しくなる。階段のように続きます。

人の欲求は一つ満たされると次が出てくる、とマズローが整理していますが、事業も同じように動きます。

引っ越しで考えると分かりやすいと思います。家が決まったら終わりかというと、終わりません。家具が要る。家具を入れたら収納が要る。収納を買ったら片付けたくなる。片付いたら人を呼びたくなる。困りごとは、なくなりません。

もっと極端な例だと、ガラケーの時代にスマホがなくて困っていた人はいませんでした。誰も困っていなかった。でもスマホが出たら、充電が持たない、電波が入らない、という困りごとが山ほど生まれました。

つまり、次を持っていれば関係は続きます。 売り込まなくても続く。向こうが次に困るからです。

終わらせない工夫と、次を渡すことは違う

ここは混ざりやすいので、分けて書きます。

歯医者は、虫歯を治すと患者が来なくなります。ちゃんと治すほど患者が減る。構造は私たちと同じです。でも歯医者は、治療が終わったところで三か月ごとの検診に切り替えます。患者のほうも納得します。また虫歯にはなりたくないからです。

これは引き止めではありません。治療という課題が片付いたあとに現れる、予防という次の課題に、先に手が届いているだけです。

企業も同じことをしています。見たい映画がないという課題を解決したあとに、次は何を見ようという課題を出してくる配信サービス。デザインができないという課題を解決したら、次は動画を作りたいですよね、と出してくるツール。解決を売っているのではなく、次を持っている。だからずっと使われます。

反対に、終わらせない工夫のほうは、私はやらないほうがいいと思っています。情報を小出しにする、解約しづらくする、次を取るための宿題を残す。自分が自分を信用できなくなりますし、何度か更新しているうちに相手にも伝わります。伝わった瞬間に、それまでの信頼のほうが目減りします。

そしてもう一つ、よくある誤りがあります。じゃあ最初に全部渡せばいい、という発想です。

これはうまくいきません。理由は二つあります。最初に全部渡すと次に渡すものがなくなること。そして、多すぎるものは使われないことです。全部入りのツールに構築代行という商売が成立しているのは、渡された人が自力で使えていないということでもあります。使えないものを渡しても、渡したことにはなりません。

そのとき使うものだけを渡す。 順番があること自体が、相手にとっての価値になります。

成果は返して、こちらは環境を持つ

ここまでをつなぐと、持つべきものが決まります。

成果はお客さんに返していい。向こうのものだからです。こちらが持つのは、成果が生まれる環境のほうです。

具体的には、普段あなたが顧客に渡している判断の基準、手順、文章、チェックの型。毎回口頭で説明していること、毎回同じ形で作っているもの。それを、顧客がいつでも自分で使える形にして置いておく。

環境のいいところは二つあります。

一つは、渡した時点でこちらの責任が完了することです。医者が薬を出すところまでを引き受けるのと同じで、飲むかどうかは相手の自由です。それでも自分はやり切っている。ここは想像以上に気が楽になります。

もう一つは、相手が動く確率が上がることです。手元に環境があると、面談と面談のあいだに人は少し進みます。結果として成果も出やすくなる。どうにもできなかった部分が、少しだけこちら側に寄ってきます。

そして環境の中には、自分の価値をそのまま入れられます。いつもの言い回し、必ず入れる要素、ここをどう見るかという判断の軸、いつも踏んでいる手順。使うのは顧客ですが、中で働いているのはあなたの価値です。

作り方には三つの道があります。自分で開発する、他社のものを紹介する、自分の名前で出す。どれが常に正解ということはありません。違うのは、始めやすさと、顧客からの見え方と、自分が持つ責任の三つだけです。ただ一つだけ、はっきりしていることがあります。基盤は借りられますが、責任は借りられません。 顧客との契約も、価格も、最初の問い合わせ先も、必要な表示も、自分の名前で出す以上は自分の仕事になります。

今いる顧客の、次の一段を書く

やることは二つです。

今いる顧客をひとり思い浮かべて、その人が次に困ることを書き出すこと。今の契約が終わって三か月後に、その人の前に現れる課題です。想像でかまいません。ひとりぶんで十分です。

そして、そこに渡せるものをひとつだけ決めること。新しく作らなくても、すでに何度も渡しているものが素材になります。

その前に、自分の売上のうちどれだけが自分の稼働に張り付いているのかを見ておくと、次の一段の重みが変わります。仕分けの手順は集客を止めると売上も止まる状態から抜けるにはに書きました。

説明会では、ここで書いた「環境を持つ」という話を、実際の画面を出しながら順番に扱っています。自分だけが使うAIツールを探している方や、顧客への責任は持ちたくないという方には向きません。無理にお誘いはしません。

[CTA]説明会で、実際の画面を見ながら話しています → [要確認: 説明会 URL]

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