個人事業主の商品づくり
コンサルの知識を商品化する手順|既存顧客1人から始める
公開
しろくま先生
コンサルタントが頭の中の知識を全部教材にするのではなく、既存顧客1人の繰り返し課題から、使われる商品へ切り出す手順を解説します。
「知識を商品化したい」と考えたとき、多くの人は最初に、講座を全部作る、会員サイトを用意する、アプリを開発するといった大きな計画を立てます。
しかし、個人でコンサルティングをしているなら、最初に商品化するのは知識の全部ではありません。既存顧客1人に対して、何度も繰り返している価値の一部分です。
なぜ知識をまとめるだけでは商品にならないのか
資料や動画を作っても、顧客が使わなければ商品としては残りません。
コンサルタントの価値には、少なくとも次の4種類があります。
状況を見て判断する
同じ前提や考え方を説明する
決まった手順で作業する
実行後の状態を確認し、次を決める
このうち、状況判断や例外対応は人が担う価値です。一方、毎回ほぼ同じ説明、質問、手順、見本、確認項目は、顧客が自分で使える商品へ移しやすい部分です。
商品化とは、自分の仕事を全部自動化することではありません。人が判断する部分と、繰り返し届ける部分を分けることです。
手順1:既存顧客を1人だけ選ぶ
最初から「すべてのコンサルタント向け」や「経営者向け」と広げません。
現在または過去の顧客を1人選び、次の問いに答えます。
面談のたびに繰り返した説明は何か
顧客から何度も聞かれた質問は何か
毎回こちらが代わりに作ったものは何か
面談と面談の間に止まりやすかった作業は何か
契約終了後、その顧客が次に困りそうなことは何か
ここで共通項を探しすぎないことが大切です。1人の課題で使われれば、次の顧客でも使えるかを後から確かめられます。
手順2:一つの「使う場面」に絞る
「マーケティング講座」のような大きな名前では、何を使う商品なのかが分かりません。
代わりに、具体的な場面まで絞ります。
初回相談前に課題を整理する
面談後に次の行動を決める
毎週のSNS投稿案を作る
セミナー申込後に忘れないよう案内する
講座を見た後に実行状況を確認する
商品名より先に、「誰が、いつ、何のために使うか」を一文で決めます。
手順3:届け方を一つ選ぶ
繰り返し部分は、課題に合わせて形を変えます。
繰り返していること | 最初に試す形 |
|---|---|
同じ質問をしている | 診断・申込ページ |
同じ説明をしている | 短い講座・教材 |
同じ案内を送っている | ステップ配信 |
同じ文章の土台を作っている | 記事・投稿作成 |
顧客が情報を探せない | 自分ブランドの専門メディア |
一つで足りなければ、相性のよい二つだけをつなぎます。たとえば「教材+実行フォロー」「申込ページ+リマインド」です。最初から全部入りにすると、作る側も使う側も何を確かめる実験なのか分からなくなります。
手順4:自分に残す判断を決める
商品化しても、顧客への責任まで自動化できるわけではありません。
どの顧客に提供するか
何を約束し、何を約束しないか
価格と契約条件
一次問い合わせ
個人情報や顧客データの扱い
例外が起きたときの判断
これらは提供者に残ります。仕組みを借りる場合でも、基盤は借りられても、顧客への責任は借りられません。
今回の説明会設計で実際に分けたこと
しろくまSaaS Bizの説明会では、最初から機能を並べず、まず「労働集約という不安」を4つの症状へ分けました。
問題の説明は検索記事として残し、申込はFunnels、事前案内はStep、当日の個別判断は説明会、体験後の初期設定はLearnとStepへ分けています。人が話す価値を消さず、繰り返す部分だけを仕組みに移す設計です。
まだ売上増や工数削減を証明した段階ではありません。だからこそ、既存顧客1人・1用途で「実際に使われるか」を先に確かめます。
最初の7日で決めること
次の5つを書ければ、開発より先に小さな実験を始められます。
試す既存顧客は誰か
何度も繰り返している課題は何か
顧客が自分で使える部分は何か
自分が判断し続ける部分は何か
30日後に何を見て続けるか決めるか
売上を保証する実験ではありません。顧客が自分で使う時間にも価値が生まれるかを確かめる実験です。
まず背景にある構造を整理したい方は、売上が増えるほど忙しくなる個人事業主の構造から読んでください。
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